幾頭の獅子の挽ける車の上に、勢よく突立ちたる、女神バワリアの像は、先王ルウドヰヒ第一世がこの凱旋門に据ゑさせしなりといふ。その下(もと)よりルウドヰヒ町を左に折れたる処に、トリエント産の大理石にて築きおこしたるおほいへあり。−森鴎外『うたかたの記』

月白風清。昨日は中秋の名月であった。
拙宅の小さな窓からも、薄雲に陰りながら月が観えていた。私が月から連想するのは、アポリネールがルイ14世に准えて呼んだ「月の王」、ルートヴィヒU世などと云ったら続くエントリの枕としては少々短絡的であろうか。
ルキノ・ヴィスコンティの生誕100年を記念して、昨年末からTVでは特番が組まれ、各地で記念の催しがあった。そして先週末からはBunkamuraル・シネマにてヴィスコンティの代表作3本『山猫』、『ルートヴィヒ』、『イノセント』が上映されている。(10月19日迄)
ヴィスコンティの作品を銀幕で鑑賞出来るまたと無い機会である。戦後世代のワカゾー君である私が『ルートヴィヒ』を初めて銀幕で観たのもこのル・シネマであった。(写真はその時のパンフレット 1999年8月)
貴族出身であり、ココ・シャネルをパトロンに持ったヴィスコンティの作品はセットも衣装も豪奢である。その眩暈のしそうな世界に只々溜息をついて欲しい。
■『ヴィスコンティ 生誕100年祭』−Bunkamuraル・シネマ
■ルキノ・ヴィスコンティ−Wikipedia

