
『ブランデンブルク協奏曲』は、私にとって思い入れの大きい曲である。何せ中学生の頃この曲を聴いて、一気にバッハ好きになってしまったのだから。
さて本日、彩の国さいたま芸術劇場にて行われた、バッハ・コレギウム・ジャパン(以下BCJ)の『ブランデンブルク協奏曲』全曲演奏会に足を運んだ。
『ブランデンブルク』は、バッハのケーテン時代の最も華やかな曲の一つで、広く人口に膾炙しているだろうから、ここで敢えて一つ一つの曲の講釈などはしない。
BCJの『ブランデンブルク協奏曲』を聴くのはこれで2回目になるが、今回少し楽しみにしていたのは、ヴィオロンチェロ・ダ・スパラという楽器が、新たな解釈によって一部チェロパートの代わりに加わるということだった。 スパラとは肩の意で、すなわち肩のヴィオラということだそうだ。音域はチェロと同じで(但し弦は5本)、ベルトでギターのように肩から下げて弾く。ヴァイオリンやヴィオラより下の位置で弾くので、パッセージや移弦は少し難しそうな印象も受けた。
『ブランデンブルク協奏曲』で私が最も好きなのはチェンバロが主役に廻る第5番で、第1楽章にはチェンバロの壮大なカデンツァが入る。私はこの鳥の羽軸が弦をはじく、「ぢいん」という音が何より好きなのだ。
普段はリヒター版に聞き慣れているのだが、BCJでは時々特有の溜めがあり、それが全然間延びした感じではなく、丁度いい歌心となって響いた。
最後にバッハの大家クイケンに学んだ、若松夏美さんのソロヴァイオリン・ヴィオラが、隣りの席の古楽ツウの紳士を唸らせる程、とても上手かったことを付け加えておく。
■バッハ・コレギウム・ジャパン 『ブランデンブルク協奏曲』全曲演奏会














