アラゴンにとつてエルザは、地獄の中を導くベアトリーチェである。エルザは単に彼の詩の源泉であるのみならず、生命そのものの唯一の支柱であった。−矢内原伊作『抵抗詩人アラゴン』

仏文学と独文学を愛した叔父の蔵書から『戦後フランス詩集』(思潮社)を偶々見つけて、ルイ・アラゴンの詩が収められていたので、通勤の傍ら読んでみることにした。
収録作は次の2篇である。『盲目的な青春のポン・ヌフ』、『幸福とエルザについての散文』。
エルザ・トリオレは、アラゴンの作品に決定的な影響を与えた彼の伴侶であることは、既に御承知の通りである。後者の散文は、エルザを称えることによって、自分の全生涯と人間の最高の完成を歌っている。
先のエントリーにも挙げたG・ダヌンツィオにしてもそうであるが、非常に政治色の濃い詩人でもある(両者の思想は対称的ではあるが)。アラゴンを語る上で避けて通ることの出来ないテーマだが、本稿の趣旨とは異なるし、私はキナ臭いのは好まないので、ここでは割愛する。
■『戦後フランス詩集』 訳編:高村智 思潮社
■ルイ・アラゴン −Wikipedia

