少し調べるとなんということだ!もう3年も前ではないか。誉も高い沖積舎からの再販という事で私は慌てて取寄せて、既に絶版となっていた東出版の普及版『院曲撒羅米』と比較してみた。


改めて解説の必要も無いのだが、御存じ無い方の為に『院曲撒羅米』がナニかと云うことを説明する為、東出版の普及版巻頭にある日夏自身の覚書、『院曲撒羅米小引』より引用してみたい。
院曲撒羅米小引
一、曲中人物ノ宛字ハ漢譯聖書上海美華書館同治四年本中ノ文字ヲ多ク採リ用ヒタリ。美姫撒羅米ノ東方趣味に準ヘムガタメノミ。
一、コノ譯書ヲモテ院曲撒羅米ノワガ定本タラシム。コレ譯詩大鴉ト共ニ拙譯詩曲類中何トハナクタダ最モ自ラ愛玩暗喜スルモノ也。
一、TEXTはSALOME,A Tragedy in one act by Oscar Wilde,Drawings by Aubrey Beardsley, Jone W.Luce & Company,Boston,1907. ニ據リヌ。
詰まる処、『院曲撒羅米』とは日夏耿之介訳に依る新訳『サロメ』である。『院曲撒羅米』は昭和3年『近代劇全集』の一篇として初めて発表されたが、80年を経た今も尚鮮烈で凶々しい。昭和13年に蘭台山房より限定150部の豪華版として刊行され、昭和50年に東出版から限定300部の豪華版として刊行されている。私の手元にあるのはその2年後に同社より出版された普及版である。
尚、引用文中にある上海美華書館とは、基督教布教の為に19世紀に中国に設立された出版機構で、現在敷衍している明朝体も此処から産れている。
版型は少し小さくなり、東出版版に有った巻末あとがきは省かれてしまったが、余白を大きくとった贅沢な製本と云える。普及版の表紙カバーはヨカナーンの首から流れる血のような緋色だったが、沖積舎版の表紙も受継いだように真っ赤である。
但し今回の沖積舎版は新漢字であった。旧漢字を使用した方が日夏の意向に沿ったものではなかったか。其の意味に於いては完全な復刊ではないと私は思うのだが。
■『院曲サロメ(撒羅米)』 訳:日夏耿之介 沖積舎
■ 美華書館 −Wikipedia


その間に、年末、小生のブログも少し、模様替え。
気分は新規まき直しです。
今年も宜しく!
仕事やイベント事が立て続いて少々更新をお休みしておりました。いよいよ牡蠣の根性を表した訳ではありませんで、唯の私の怠慢なのです…(^^;ゞ
ブログをリニューアルされたのですね。
昨年8月4日の記事に追記しましたが、リンク集の修正をしておきました。