パガニーニはナポレオンのように、この宇宙に存在する悪魔的な要素のようなものを身につけているが、そういった要素は一般的に言って、芸術家の間では画家よりも音楽家の中に見ることのほうが多い。 −ゲーテ
拙ブログにて音楽のことを書くのは、いささか気恥しい。
私は師にヴァイオリンを学びてもう随分経つが、この音楽という極めて直感的な純粋芸術は、知る程にその頂上には霧霞が掛かり、見えなくなっていくからである。
閑話休題、ニコロ・パガニーニは私の大好きな作曲家であるが、同好の士である私の友人たちにはすこぶる評判が悪いようである。 技巧的、享楽的、山師、ドケチ等等…。
しかし彼の曲は、実は非常に牧歌的であり、情緒に満ちて美しいのである。あまりにも有名な『24のカプリース』は、そんな特徴がよく現れている曲といえる。

GRAMMOPHON/ポリグラムからの同曲は、今を時めく気鋭のヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット16歳の時の録音だが、シューマン編曲のピアノ伴奏付という一寸珍しい版だ。
当時、無伴奏の曲に伴奏譜を付加することは時代の要請ではあったが(シューマンはバッハの『無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータ』にも伴奏をつけている)、ことパガニーニに対しては異常なまでの心酔ぶりであったようだ。


※パガニーニの写真(左)と、遅れてきたデカダン画家アラステアによるパガニーニ(右)。写真を基にして描かれているのは明らか。落ちくぼんだ眼窩、こけた頬、鷲鼻は如何にも悪魔の様だ。 しかし、ダゲレオタイプの発明が1839年であり、この年パガニーニは既に死神に魅入られている(翌年死亡)のを鑑れば、写真の人物がパガニーニ本人であるかどうかは疑念の余地が残る。
通常、伴奏の付加によってリズムは単調になり、曲の即興性は損なわれがちだが(つまりソロ奏者にとって唄い難くなる)、ギャレットの伸びやかな演奏がその不安を払拭している。
シューマンの伴奏譜は23番までで、24番はVnのみの録音になっている。ハイフェッツの演奏では24番にもピアノ伴奏が付いていたが、これはハイフェッツの先生であるレオポルド・アウアー(Leopold Auer)による編曲になる。
24のカプリースにピアノ伴奏を付加した作曲家には、シューマン、アウアーの他にフリッツ・クライスラー、カロル・シマノフスキがいる。
追記:2007/7/16) ハイフェッツの演奏する24番は、レオポルド・アウアー(Leopold Auer)の編曲ではないかとのご指摘を頂いた。よって記事の修正・加筆を行った。
■David Garett 公式HP
■Paganini/Schumann 24 Caprices, Op.1(POCG-10044) GRAMMOPHON/ポリグラム


尚、重複コメントは削除致しました。
名乗るほどでもないので、”ひみつ”と書いたけれど、ちょっとまずかったかな〜?
HNで書いていることが既に匿名であり、それがWebの特性なのですから伏字でも全く構いませんヨ。私も何分にも不勉強の身なれば、また気軽にコメント下されば幸いです。