「予には悪癖があって咽から手が出る程欲しい読みたい本でも、装丁が非道いとどうしても買う気持ちにならず、友人に借りてすますのを常とするのである」−日夏耿之介『美しき書籍の話』

最近は携帯電話で弊ブログを閲覧される方も多いようで、とても有難いことだ。
以前からサエなかった携帯用サイトのデザインを、PCサイトのデザインカラーに合わせて刷新した。PCサイトのアドレスで携帯用サイトに勝手に誘導される。
デザインが酷いと読む気も起きないからね。
※一部機種では表示が崩れる場合があります。
「予には悪癖があって咽から手が出る程欲しい読みたい本でも、装丁が非道いとどうしても買う気持ちにならず、友人に借りてすますのを常とするのである」−日夏耿之介『美しき書籍の話』


デルヴォーは、心のなかの広い郊外を支配する、唯だひとりの、しかもつねに同じ女の王国をつくりだしていて、そこではフランドルの古い風車が真珠の頸飾りを鉱石の光のなかで回わしているのだ。−アンドレ・ブルトン 瀧口修造:譯

それから矢張り同氏の作にかかる「D坂の殺人」「二銭銅貨」なぞを、作者の力に引き付けられて次から次に読みは読みながら、構想や行文の苦心が一つ残らず西洋人の模倣に見えて仕様がありませんでしたので、巻を蔽うと同時に、二度と読む気がしなくなったものでした。そうして、
「江戸川乱歩は要するにエドガア、アラン、ポーに対するエドガワ、ランポに過ないのかナ」
なぞと思い思いした事でした。
ところが、私のこうした乱歩氏に対する失望感は、同氏の「白昼夢」を読むと同時に、あとかたもなく引っくり返ってしまったのでした。−夢野久作『江戸川乱歩氏に対する私の感想 』

玲瓏、明透、その文、その質、名玉山海を照らせる君よ。溽暑蒸濁の夏を背きて、冷々然として獨り涼しく逝きたまひぬ。倏忽にして巨星天に在り。光を翰林に曳きて永久に消えず。然りとは雖も、生前手をとりて親しかりし時だに、その容を見るに飽かず、その聲を聞くをたらずとせし、われら、君なき今を奈何せむ。おもひ秋深く、露は涙の如し。月を見て、面影に代ゆべくは、誰かまた哀別離苦を言ふものぞ。高き靈よ、須臾の間も還れ、地に。君にあこがるゝもの、愛らしく賢き遺兒たちと、温優貞淑なる令夫人とのみにあらざるなり。
辭つたなきを羞ぢつゝ、謹で微衷をのぶ。−泉鏡花『芥川龍之介氏を弔ふ』



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物質のメタモルフォーズはすべて、垂直の失墜に関係づけられている。−ルネ・パスロン

價を論ずれども成らざりしかば、思ひあきらめて立ち去らんとしたる時、一書の題簽(だいせん)に「ヂヰナ、コメヂア、ヂ、ダンテ」(ダンテが神曲)と云へるあるを見出しつ。嗚呼、これこそは我がために、善惡二途の知識の木になりたる、禁斷の果(このみ)なれ。−アンデルセン 森鴎外:譯『即興詩人』



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